Deal・ミズホ武芸帳

第2話 「傭兵の島 − ジェローム −」 

<<前のページ 小説のTOPへ戻る 次のページ>>

総合TOPへ戻る


俺は剣を手にし、ブリテンの町はずれにある戦士ギルドで剣の腕前を試すことにした。

人形を相手に斬ったり突いたりの練習していると、自分の剣の腕前が徐々に上がっていくことが実感できた。

やがて動かない人形を相手にしていても物足りなくなってきたので、実戦で修行する事にした。

図書館で地図を広げ、どこかいい場所はないかと色々な街の地図を見ていると、ある街に俺の心は惹かれた。

その街の名はジェローム。

遙か南の島にある街なのだが、なぁに、ムーンゲートで移動すれば距離は問題じゃない。

俺は早速旅支度をし、装備を整えてブリテンの南にあるムーンゲートに向かうことにした。



先日拾った骨アーマーを装備してみる。

・・・なんだかえらく凶悪な風体になったな・・・

骨兜の下で思わず苦笑いをし、街の外に出ようと銀行の前を歩いていると、テイマー氏が馬を売っていた。

長旅や冒険では馬は必須だと思う。

しかし俺はまだ駆け出しだ。

自分の乗っている馬に認められる程度に強くなったら初めて乗ろう。

俺はそう決心して街の南の森の中をゲートに向かって歩いていった・・・



軽い浮遊感の後、目の前に広がった風景に俺は息をのんだ。

一面に広がる大海原。見たことのない幹の細めなねじれた樹が立ち並び、

下生えの草もヴェスパーやブリテンではお目にかかったことのない種類だ。

ムーンゲートで移動時間は一瞬だったが、やはり遠くに来たのだな、とその時実感した・・・

しかしいつまでも感傷に浸っていても仕方がない。俺は街の中心に向かって歩きはじめた。

ところでこの町には鎧を着て剣を持った輩が大勢うろついている。

どうやらここは傭兵が訓練をする施設が豊富にあるらしい。

だが俺は傭兵になるつもりはない。そんな人間が施設を使うのはさすがに気が引ける。

俺はそのまま街の中央にあるというテレポーターに向かい、北の島の牧場へと移動した。



ここは柵に取り囲まれていて色々な種類の家畜がいる。

牧場主には悪いが、この動物たちをしばらく剣の修行相手に使わせてもらうことにした。

おや? 既に先客がいるようだ。柵の中から音楽が聞こえてくる。

どうやらバード氏やテイマー氏たちがいるようだ。

後から来た俺は、彼らの邪魔にならないように離れて山羊や羊と戦うことにした。



さすがに生きている相手と戦うと、剣の腕の上達が早いことが実感できる。

人形は反撃してこなかったので練習にならなかったが、こいつ等と戦っていると盾での受け流し方も上達する。

しかし山羊や羊のような小動物ならまだ何とかなるのだが、牛などの大型動物と戦うにはまだまだ剣の腕が足りない。

それでもムキになって牛と戦っていると、一頭のブタがその牛に向かって攻撃を開始した。

どうやらバード氏がブタを煽動したらしい。

するとどうだ、まるでブタに追われるようにして牛が逃げ出すじゃないか!

くそぅ、俺よりブタの方が脅威だって事か?!

しかし俺が与える以上のダメージをブタの方が与えていたのは確かだ。

包帯のストックもなくなり、羊の毛も数束手に入ったのでここは一旦引いて、

少し修行のやり方を変えるために銀行へと向かった。


[Deal > 山羊]
[雌牛 > Deal]



今の俺に絶対的に不足しているのは体力と敏捷性だ。

しかしこれは一朝一夕でどうにかなるものではない。だが効果的に鍛える方法はある。

俺は銀行に預けてあったクリスとクォータースタッフを背負い袋に放り込み、

よりハードな修行をするために街の北の墓場へと向かった。

墓場にはゾンビやスケルトン、シェイドやスペクターなどが現れる。

中には魔法を使ってくるヤツもいるが、ついでに魔法に耐える修行にもなるだろう。

俺は墓地に入るための柵を開け、俺に気がついて襲いかかってきたゾンビどもを迎え撃つべく剣を抜いた・・・!



<<前のページ 小説のTOPへ戻る 次のページ>>

総合TOPへ戻る


inserted by FC2 system